クマのニュースのその先へ ― 人と自然の関係を考える講座を開催
クマ出没を「怖い」で終わらせないために
― 問いから始まる環境講座を開催しました
先日、四日市市エコパートナー事業として
「クマ出没の背景から『問い』をひらく ― 自然とのこれからを考える」講座を開催しました。
近年、全国各地でクマの人里への出没が増え、人身被害のニュースも多く報じられています。
四日市市では現在のところクマの出没は確認されていませんが、野生動物との関係を考えることは、
私たちの暮らしや地域の環境を見つめ直すきっかけにもなります。
今回は 三重大学教育学部教授の 平山大輔先生 を講師に迎え、
クマの生態や出没が増えている背景、森林や里山の変化、人と自然の関係についてお話を伺いました。

当日は、未就学児から中学生までの子どもたちを含め、幅広い世代の市民が参加しました。
講座の後半では、
・気づいたこと
・疑問に思ったこと
・自分にできること
を付箋に書き出し、参加者同士で共有するワークを行いました。
模造紙いっぱいに並んだ付箋には、
・クマはなぜ人里に出てくるのか
・人と野生動物の棲み分けはできるのか
・里山はどのように管理していくべきか
・温暖化はクマの行動に影響しているのか
など、さまざまな問いが書き込まれました。
クマの問題は単に「怖い」「危ない」という話ではなく、森林や里山の管理、人口減少、気候変動など、
人と自然の関係の変化とも深く関わっています。
講座の最後には平山先生との対話の時間もあり、「共存とは何か」というテーマについて改めて考える機会となりました。
自然や生きものを身近に感じ、大切に思う気持ちがあれば、人は欲望だけに流されるのではなく、
少しだけ自然に譲ることができるのかもしれません。
人は良い問いを投げかけられると、その答えを見つけようとして探究を始めます。
今回の講座で生まれた多くの問いが、それぞれの暮らしや地域の中で考え続けられていくことを願っています。
講座の最後には参加者の皆さんと記念撮影も行いました。
「ブログに掲載しますのでぜひ見に来てください」とお伝えしていた写真を、ここに掲載します。
当日の様子を思い出しながら、ぜひご覧ください。
※参加者の皆さまには掲載の許可をいただいています。
最後は平山先生への感謝の気持ちを込めて、参加者全員で拍手のポーズで記念撮影。
会場には笑いも起こり、あたたかな雰囲気の中で講座を終えることができました。
ご参加いただいた皆さま、そして平山先生、ありがとうございました。
一般社団法人ネクストステップ研究会では、これからも市民一人ひとりが問いを持ち、学び、
行動につなげていく場づくりを大切にしていきます。

《会場で平山先生がご紹介してくださった書籍たち》
1. クマが樹に登ると — クマからはじまる森のつながり(フィールドの生物学 12)

著者:小池 伸介
出版社:東海大学出版会
発行年月:2013年9月
コメント:クマと果実・種子散布の関係を中心に、森のつながりをフィールドデータで示す専門的な解説書。
研究者・学生向け。2.ある日、森の中でクマさんのウンコに出会ったら

著者:小池 伸介
出版社:辰巳出版
発行年月:2023年7月10日
コメント:ツキノワグマの糞を25年以上集めたフィールド経験をユーモアを交えて綴る自然科学エッセイ。
研究の現場感と生態学的知見が読みやすくまとまっている。
3. リスク社会の科学教育 — 専門家とともに考え、意思決定できる市民を育てる

著者:荻原 彰
出版社:新曜社
発行年月:2024年10月17日
コメント:原発やパンデミックなど「正解が出ない」問題に対し、専門家と市民の関わり方を問い直す科学教育論。
実践的な教育提案が含まれる。
4. クマはなぜ人里に出てきたのか

著者:永幡 嘉之(文・写真)
出版社:旬報社
発行年月:2024年10月
コメント:現地調査と写真を通じて、ツキノワグマの大量出没や人里との関係を丁寧に読み解くルポ・解説書。
フィールド志向の読者に向く。
5. 動物たちの「増え過ぎ」と絶滅を科学する

著者:齊藤 隆
出版社:ミネルヴァ書房
発行年月:2025年10月17日(刊行予定)
コメント:個体群生態学の基礎と人間との歴史的関係を踏まえ、「増加」と「絶滅」の両面を読み解く入門的解説。
中高生から一般向けのシリーズ第1巻。6. 生物の科学 遺伝(Vol.79 No.1) — 特集:クマの生物学

編著:公益財団法人 遺伝学普及会(編集)
出版社/発行所:エヌ・ティー・エス
発行年月:2024年12月23日(2025年1月号)
コメント:クマ類の進化・遺伝・生態を総合的に扱う特集号。研究者による最新レビューと寄稿が充実している。
★平山先生の著書(共著)はこちら★
未来を生きるすべての人の 教養の生態学

編:日本生態学会(畑田 彩・佐賀 達矢・丑丸 敦史・中田 兼介 編)
出版社:東京化学同人
発行年月:2025年3月25日(書店発売 2025/04/04)
コメント:生態学を一般教養として平易にまとめた入門書。政策・教育・市民活動に役立つ視点が豊富。
Amazon.co.jp: 未来を生きるすべての人の 教養の生態学 : 日本生態学会, 畑田 彩, 佐賀 達矢, 丑丸 敦史, 中田 兼介: 本





